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Le Cinq ル・サンク
5ツ星を誇るラグジュアリーホテルに
さらなる輝きを添える名門レストラン2002年から【ルドワイヤン】で3つ星を獲得し続けてきたクリスチャン・ル=スケール氏が、【フォーシーズンス・ホテル・ジョルジュ・サンク・パリ】のシェフとしてヘッドハンティングされたのは、2014年晩秋。目標はひとつ。パリを代表するパラスホテルのメインダイニング【ル・サンク】を3ツ星に返り咲かせること。さらに、その目標達成のために許された期間は1年間という、それはかなりシビアなものだった。
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業界全体が大注目した巨匠シェフの移動。大きな好奇心を持って見つめられるなか、数ヶ月後のミシュランでは2ツ星、そして翌年、失われていた3ツ星を見事に取り戻し、ル=スケール氏の威光はさらなる輝きを放った。
「料理はファッションと同じ。常に動きがあり、スタイルが変わる。以前は“自分の家”だったが、ここは“パリを代表するパラスホテル”。よりインターナショナルな人々が集い、今現在のパリの美食とは何か?を求めてくるんだ。その期待に最大限こたえるのが私の仕事だ」。 -
味の追求はもちろんだが、そこに、パリのパラスの3つ星店ならではの魅力を加える。極上のフォアグラは、本来の美味しさを保ちつつ見た目はまるで海岸で波に洗われる小石のよう。ラングスティヌは色あざやかな建築美を纏う。
テイストとヴィジュアルのハイレベルでの共存を図るため、日々、研究開発だけを行う専門スタッフもいる。味や加熱の分析、風味の組み合わせ、デザインなどが緻密に研究され、全てにおいてバランスが取れた素晴らしい料理が生み出されるのだ。「ここはパラスの3ツ星店、車で言えばフォーミュラ1のようなもの。理想を実現できる素晴らしいチームを、私は持っている」。 -
3ツ星の【ル・サンク】に加え、1ツ星の【ル・ジョルジュ】と【ロランジュリー】、ギャラリーラウンジ、バー、宴会、ルームサーヴィスなど、ホテル全体のフードを管轄するル=スケール氏。その姿は、オーケストラに君臨する指揮者だ。
このホテルに来た時、大きなプレッシャーがあった、と振り返るル=スケール氏。「誰もが、2年目に3ツ星を取れなければ私がクビになると知っていて、私の行動を見つめていた。あいつはパラスの居心地良さのなかで眠ってしまうのでは? という声も聞きたが、私は逆に、眠りについていたこのパラスの目を覚ましたんだよ」。 -
今彼は、これまでに学んできたフランス料理の素晴らしさを、自らが考案した洗練と軽やかさとともに、次の世代に伝えることを喜びにしている。みずからSNSなどの発信も積極的に行い、今やフォロワーは7.6万人。時代が求めるものへアンテナを張ることは重要だと語る。
伝統を取得し、そこに自分の個性を加えて次に手渡す。フランス料理は何百年も、このようにして発展を続けてきたのだ。
シェフの哲学 クリスチャン・ルスケール氏
パリのパラスホテルで3ツ星を取る【ル・サンク】に、ゲストが期待するのは、パリらしいフランス料理の美味しさと唯一無二の感動体験。我々はそれを可能にすべく、常に全力を尽くし、発展に邁進しています。
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Column
2018年世界のベストレストラン50で
ベスト・パティシエに選ばれた
セドリック・グロレ氏にインタビュー
インスタグラムのフォロワー数、100万越え。
【ル・ムーリス】シェフ・パティシエとして活躍する
セドリック・グロレ氏は、今、世界中が注目するパティシエだ。
世界から熱い視線が注がれる、【ル・ムーリス】のシェフ・パティシエ、セドリック・グロレ氏。彼のスペシャリテは、様々なフルーツの形を極薄のホワイトショコラで精密に再現し、そのフルーツのおいしさをジュレやコンフィなどに仕立てて内部にたくみに仕込んだ、”フルーツ”シリーズ。「季節が私を導いてくれます」と語るセドリック氏。四季折々の極上フルーツにインスピレーションを受けたこのシリーズは、美しいヴィジュアルと、シンプルかつ印象的な風味で、食べ手に大きな感動を与える。
ミルフイユやパリブレストといったクラシックなフランス菓子も、彼のもう一つのスペシャリテ。「形や風味は変えない、でも素材にこだわりぬき、一つ一つのパーツを研ぎ澄ませています」。彼の伝統菓子を食べると、その完成度の高さに、ミルフイユやエクレールはこんなにおいしいものだったのか? と、ため息がでる。
ファインダイニング【ル・ダリ】で提供するアフタヌーン・ティも人気だが、2018年春にはホテル内にパティスリーを併設し、店の前には日々長蛇の列。今、パリで最も熱いスイーツスポットになっている。