パシフィック・リム料理を受け継いだ、ハワイ有数のシェフが腕を振るう
地元の料理番組などにも出演し、ハワイでは知らぬ人がいないシェフのひとりだろう。もしかしたら、【Chef Chai】へ訪れる前にその味に出会ったことがある日本人もいるかもしれない。というのは、オーナーシェフであるチャイ・チャオワサリー氏は、ハワイアン航空のエグゼクティブシェフでもあるからだ。ハワイへと向かう空の上でチャイ氏がプロデュースした料理に触れ合っている可能性だってある。
もちろん、そのチャイ氏の本領を楽しむのなら、レストランへ足を運ぶのが正解だ。ジョージ・マブロサラシティス氏やロイ・ヤマグチ氏といったレジェンドに続く名シェフといわれるだけあり、料理はどれも洗練されたさすがの味。ハワイの食材をふんだんに使ったパシフィック・リム料理を柱としつつ、フレンチのテクニックやアジアンのテイストを巧みに取り入れるなど、【Chef Chai】でしか体感できない味を楽しませてくれる。
シグネチャーは、カウアイ島のエビをギリシャのカタイフィ(小麦粉でつくる細麺状の生地)を衣にして包み、天ぷらをイメージして揚げた一品。そのインパクトのある見た目だけが注目されるが、パイナップルを使ったヴィネグレットソースが味全体に統一感を持たせ、しっかりとハワイらしさを引き出している。「料理番組でいろんなシェフとコラボレーションするから、そこでインスピレーションを受けるんだよ」と笑うチャイ氏。ハワイアン航空の機内食で満足していてはもったいない。シェフの実力はレストランへ訪れ、その舌でしかと味わってほしい。